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2006年5月

2006/05/30

コーヒー一杯の憂鬱

特に意味はない。
なんとなく今日はコーヒーを断つ決意を固めた。
最近不摂生が祟って胃がむかむかするし。
しかし「コーヒーを断つ」と簡単に言うが,僕にとってこれは命をかけた
決断である。
完全にコーヒー中毒で,飲まないと生命の危機にさらされるから。
いろいろと禁断症状が出てくる。

症状1:喫茶店の前を通るとうっとりする。
症状2:向かいの研究室の秘書の方とコーヒー・トークで盛り上がる。

昼食後,症状は急激に重くなる。

症状3:食堂で激まずいカレーを食った後,コーヒーの自販機を探す。
症状4:他人の飲んでいるコーヒーを見てよだれをたらす。
症状5:いらいらして貧乏ゆすりが始まる(~0.3Hz)。

そろそろかなり重篤になってきた。

症状6:エア・コーヒー(※1)の頻度が5cpm(※2)くらい。
症状7:コーヒーを閉まっている引き出しに手を伸ばす頻度が2cpm。
症状8:コーヒーを思い浮かべる頻度が10cpm。

(※1)机に座っているときに,置いてないのについついコーヒーカップを
持とうとして空振りする現象。習慣とは恐ろしい。
(※2)count per minute:1分間あたりの回数。

いよいよ末期症状。

症状9:幻覚。幻聴。
症状10:言語障害。運動機能低下。
症状11:脈拍低下。呼吸困難。

現在午後1時。
このまま名誉の死を迎えるか,誘惑に屈してコーヒーを飲むか。
胃を痛めつけると癌になるのでは?という長期的な懸念がある。
しかし毎日コーヒーを飲むと確か食道癌の発症率が下がるという心強い
報告もある。
そもそも飲まないと精神的に崩壊しそうだ。
うん,飲もう。

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2006/05/29

一握りの勇気

日曜の夜,電車に乗っていて乗り換えのために移動した先の
ホームで男性がうつ伏せに倒れていた。
仲間らしき男性の必死の呼びかけにも微動だにせず,意識が
ない様子。何か病気の発作だろうか。
もう一人の仲間らしき男性は助けを求めてか,電話していた。
僕が目撃したのはちょうど駅員が駆けつける直前。
担架が運び込まれ一時騒然となった。

恐ろしいことに東京のような都会に住んでいるとよく見かける
事態で,それほど珍しいことではない。
実際に多くの通行人は取り乱すことなく傍観している。
でも僕はこのような時には必ず思い出してしまうことがある。
何年も前の,ある出来事。
家の近くを歩いていて赤信号で止まっていると,道路の反対側
で自転車に乗っていたお婆さんが転んだ。
最初はただ転んだだけ,と思っていたけど,うつ伏せになったまま
なかなか起き上がらない。
次第に事の重大さに気づき始めた。
声をかけたほうがいいと思ったが,信号が赤なので待った。
やがてバイクで通りかかった若い男性が止まって救助を始めた。
信号が変わり渡ると他にも通りかかった数人が取り囲んだ。
お婆さんは意識はしっかりしていた。
あごを怪我していて,傷口は小さいが深いらしく,出血がひどい。
ある者は電話で救急車を呼び,すぐ近くに自宅がある者は止血
のためにタオルやティッシュを持ってきた。
やがて救急車が到着し,お婆さんは運ばれていった。
僕は何もできなかった。
ただ,そこに立っていた。

そもそも僕は第一発見者である。周りには誰もいなかった。
それなのに,こんなときに赤信号だなんて!
片側一車線だしそんなに交通量の多い道ではない。
すぐに駆け寄るべきだった。
なぜあのとき信号の変わるのを律儀に待ったのか分からない。
駆け寄った人々がてきぱきと救助作業を行うのに,その輪に
入れなかった。
本当に何もできず,一人で,ただただ傍観していた。
その夜は悔しくて食事が喉を通らず眠れなかった。
なぜ何もできなかったのか。
集まって救助した人々は全員,自分と同世代だった。
それが尚一層悔しい。
それまで行動力があると思っていた自分を恥じた。
似たような場面に遭遇すると今でも鮮明に思い出す。
お婆さんの傷口からは鼓動に合わせて一定のリズムでどす黒い
血があふれ出していた。
脳裏に焼きついたその光景が余計に僕を苦しめる。

僕の父はこのような傷ついた人を救出する仕事に携わっている。
10年ほど前の阪神大震災の時も応援要請を受けて現場に行き,
数日間家には帰らなかった。
父の血を受け継いでいるのだから,自分にも何かできるはずだ。
ほんの少し,勇気が足りないだけ。
この手の精神的な問題には今までショック療法で立ち向かって
きた。度胸をつけるために大それた事をするのである。
たいていのことは一度やってしまえば実は何てことない。
だからもしまた誰かが助けを必要としているときには絶対に何か,
どんなに些細なことでも行動を起こそうと思っている。

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2006/05/28

ネコノマクラ

ちょっと前に向かいの研究室の姐御に新たにコレクションに加わった
ウニの自慢をしていたら,「よこせ」と一言,君命辞しがたく召し上げ
られてしまった。
スカシカシパンという「これウニなの?」と誰もが言いたくなるウニ。
タコノマクラみたいなやつ,と言ってもタコノマクラが分からんか。
それからしばらくたったある日,見違える姿に変貌を遂げたウニを
目にすることとなった。
知り合いのトンボ玉職人(だっけ?)が加工してくださったらしい。
Nec_0397Crw_7757左:奉納前,右:奉納後
お礼にトンボ玉のストラップを授かった。
USBメモリーのオレンジ色に合わせた配色らしいが,実はそのメモリー
は研究室のものなので,顕微鏡横の温度計をぶら下げるのに有難く
使わせていただいている。
Crw_7750
彼女は職人肌の知り合いが多いらしく,万華鏡職人の知り合いがいる
という話は前から聞いていた。
日本で数本の指に入る腕前だとか何だとか言っていたような気がするが
そもそも万華鏡職人が数人しかいないのでは?との疑問も払拭できず。
でも実物を見せていただいてその美しさに感激。
Crw_7768Nec_0432b左:万華鏡本体,右:覗いた様子
右側の写真は二枚の写真を並べたもの(撮影は困難で秘密の技法を
編み出すのに一時間ほど試行錯誤した)。
普通の万華鏡と違って,見えるのは箱の中ではなく外の景色。
しかも不思議なことに,どこを見てもピントが合って見える。
分解したい衝動に駆られてしまうのだが,そんなことすると東京湾に
沈められるのは必至なので何とか抑えた。

やれやれ,くだらないことばかり書いているうちに何だか眠くなってきた。
と言ってもさすがにタコノマクラじゃ人間様は眠れない。
猫の枕なんていうのがあると何だか気持ちよさそう,,,とまたくだらない
ことを考えてしまうのは現実逃避症候群の末期症状か。
夢うつつにこれ以上変なことを書く前にパソコンをシャットダウンしよう。

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2006/05/26

ミズバショウ,お前もか!

今日の運は朝,不燃ゴミの回収に間に合ったことで全て使い果たした。
そんな気がする昼時。
本格的に現実逃避を試みるべく尾瀬行きを計画している。
過去に二度,夏と秋に行った。いずれも一人でふらふらと。
初めて行った時には何と超レアな「おこじょ」を発見!
ちゃんと証明証を発行してもらった。
OkojoNec_0444
もう一年以上行ってない。
去年の春,ミズバショウの時期に行くつもりだったけど去年は結局
その時期にニューヨークに行くことにしたので却下。
今年こそは!
バスを予約するため開店と同時に旅行会社へ。
6月の二週目の平日狙い。
しかし,,,

残雪のため6月8日までは全てキャンセルとなっております。

残雪!
すっかり忘れていたけどそういえばこの冬は大雪だった。
自然は私を裏切らない。そんな信念はもろくも崩れ去った。
翌週に変更しよう。

今宵はマリオ祭り。
隣のマリオ研の歓迎会(マリオ先生にとって名目などどうでもよい)
ということで研究室の屋上でバーベキュー!
しかしいまひとつ気分が盛り上がらない。
今日の東京の空はまさしく自分の心を反映している。
先輩のはか太氏が後輩のしろっぺを吊るして照る照る坊主にしよう
と言い出した。
笑顔の奥に殺意を感じた。
でも,それも悪くない,と思った。
とりあえず買い出しリストに「ロープ」が加えられた。

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2006/05/25

Anarchy in the Lab.

政界の壊し屋と呼ばれて久しい某党の現党首。
いいなあ,この肩書き。かっこいい!
呼ばれてみたい,「研究室の壊し屋」と。
そんな日がきっと来るに違いない。
そんな期待感は抱いていた。

先ほど顕微鏡の部品を解体して遊んでいた。
いや,一応,研究の一環である。
ダイクロイックミラーという特殊な鏡があるのだが,メーカーの
主張が胡散臭いのでやつらの言うことなど信用せん,という
ことで自分で各波長の透過率を調べていた。
それで,「やっぱり違うじゃねえか~」などとぼやきながら,
ミラーユニットを分解して改造していたのである。
ミラーの角度をうまく調整していると期待通りに透過率が変化
してくれたもんだから気をよくしていた。
もう少し角度をつけたい。もう少し,もう少し,,,
で,ちょっとばかり冒険していた次の瞬間。

パキッ

何とも心地よい音とともに云万円のミラーは一瞬にしてガラスの
破片に成り下がってしまった。
ああああ,,,やってられん。肩に10メガ・コナキ(※)追加。
ユニットを組み立てなおすのも億劫でそのまま放置。
研究報告。
本日の成果:「研究室の壊し屋」への着実な一歩。
Nec_0443_1
(※)1メガ・コナキ=子無き爺100万人分の重さに相当

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2006/05/23

The last one to go

約一ヶ月間渡米していた,はか太氏(旧アルパカ氏)が帰国した。
一番の目的はWoods Holeの臨海実験所(地図でいうと右上の方)の
実習に参加すること。一週間程度だが,まあ一種の留学である。
まだ全ての話を聞けたわけではないが苦しみながらも楽しめた様子。
お土産に実験所のTシャツをいただいた。
Nec_0442_1
さらに,ある測定機器メーカー(でいいのかしら?)のボールペンも!
か,かっこいい~!!
ペン先にLEDが組み込まれていて暗いところでも楽々書ける♪
ボールペン・コレクターとしてはたまらない。
Crw_7860s
20世紀中の実現は不可能とまで言われた世紀の発明・青色LEDを,
21世紀を向かえた今となってはおもちゃに使ってしまうとは。
科学って素晴らしい!

初めてWoods Holeの名前を聞いたのは,二年ほど前。
三崎にある東大の臨海実験所で。
科学者の鑑とも言うべき團勝磨氏の残した有名な張り紙(参照)の
コピーが展示されているのを見たときである。
実験所を接収に来た進駐軍へ当てた張り紙で,要約すると「この施設は
Woods Holeの臨海実験所のような研究施設であり,軍事施設ではない。
だから今後の科学の発展のためにも絶対に破壊しないでほしい」という
メッセージが込められている。
はか太氏はWoods Holeに展示されているこのオリジナル版を見て
きたのだとか。うらやましい。とりあえず写真だけいただいた。
Img_2638a_1
それとは関係ないのだけれど,深く感銘を受けた言葉。
Img_2568a
読みにくいが,

Study nature
not books.

と書いてある。
かつての実験所の所長が残した言葉らしい。
シンプルなのに深い。そんな言葉を残す研究者ってどんな人だろう。
自分もいつかはそうなりたい。まだまだ先は長いね。

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2006/05/20

襲名披露

最近相次いでお亡くなりになった熱帯魚。
研究室の一部を不法占拠して飼っていた。
ミッキーマウス・プラティーという卵胎生メダカの一種。
オスとメスのペアで飼っていて,何のヒネリもなく名前はミッキーとミニー。
彼らの後任に,新たにペアが入ってきた。
二代目ミッキー&ミニー。
Crw_7840s
当然,写真を撮ろうと奮闘するもなかなか難しい。
素早く動き回るのでピントが合わないしブレるし。
あまりよい写真ではないけどこちらは二代目ミッキーさん。
Crw_7837
分かるかしら,尻尾に浮かぶあのシルエット。。。
ミッキーマウス・プラティたる所以である。

こちらは二代目ミニーさん。
キラキラしていてかっこいい。
Crw_7831
彼らはペアで飼っていれば勝手に子供を産むのだが,困ったことに産んだ
そばから食べてしまうのである。幼児虐待どころの騒ぎではない。
大きな水槽なら隠れるところもあろうが,卓上の小さな水槽ではすぐに隔離
しなければ平均寿命は数分にも満たない。
稚魚発見!と思った瞬間に親に食べられてしまう,,,なんてこともしばしば。
もちろんいつ生まれるのかはよく分からないので他の作業をほったらかして
固唾を呑んで見守るわけにもいかない。
ということでこれまで子供を無事に育てられたことがない。
今度こそは!

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2006/05/19

研究生活は,ときどき晴れ

研究者の評価について。
所詮は所属している研究室で,つまりボスの政治力で評価される。
よく聞く悪い噂だが,いつしか完全にそう信じるようになっていた。
隣の研究室のヒップでホップな後輩と帰りの電車で一緒になって,
そんな話題になった。
どうせ頑張ったって評価されないよね~,と冷めた事を言っていたら
いや,そんなことはない,と諭されてしまった。
彼の主張の説得力もさることながら,残念そうな雰囲気が痛かった。
励みとなるべき後輩の前で卑屈になり失望させてしまうとは。。。
そして恥ずかしくなった。
アメリカで研究に励む先輩の言葉を思い出す。

「研究者の評価に関してはいろいろと悪い噂も聞く。
でもいつか自分のやってきたことが評価されると信じたい。」

隣の研究室にいた頃から精神的に支えてくれた親友でもある彼女の
言葉の持つ意味が今さらながら分かった気がする。
少し肩が軽くなった。3コナキくらい。
(※1コナキ=子泣き爺一人が乗っかった重さに相当)
このところの雨も乾いた心にはむしろ潤う。
ふらふらと遊びに来た隣の研究室のマリオ先生の手に握られた焼酎も
染み込む,染み込む。

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2006/05/16

手前の王道

人を喜ばせるのが好きなんです。こう見えて。
時として大々的なパフォーマンスも行う。
でも,別に見返りを求めているわけではない。
だから,些細なこともする。
あまりに小さなことで,好意に気づいてもらえないこともある。
でも,単純に喜んでいる人を見るのが好きなのである。
困ったことに,人をどん底に突き落とすのも大好きだけど。
周りの人を喜ばせるために常にあれこれ考えている。
でも,ことさら自分を喜ばせるとなると,これができない。

最近いろいろと立て込んでかなり多忙を極めている。
特にこの週末はかなり忙しくて疲労困憊。
絶大な癒し効果を持つ先輩ももういないし。
「叫び」を描いたムンクの気持ちが分からないでもない今日この頃。
少しずつ作業が片付きつつあり,解放へと向かっているのが救い。
こう忙しいと逃避行したくなる。とりわけ,国外逃亡。
行きたい!海外へ!ふらふらと一人旅。。。
そんな折,今年度末の渡米計画が急浮上!
現段階では前回のスペイン行のごとく頓挫する可能性が極めて高いが。

渡米計画がどうなるかは今のところ全く分からない。
でも,それとは関係なく,,,
うん,この感覚は間違いない!
だからここに宣言しよう,,,

私,一年以内に必ず海外に旅に出ます!!

別に計画があるわけではない。根拠もない。
でも,この気持ち,,,国外逃亡の衝動を抑えられない。
自分のことは自分が一番よく分かる。
一度こうなってしまったら行動を起こさなければ気がすまない性格。
ちょうど311年前の今日,松尾芭蕉は「奥の細道」へ旅立った。
今日この日にこの衝動に駆られたのも何かの縁。
わびさびの世界へ思いを馳せながらも,図太く,自分の道を進みます。

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2006/05/12

犬と猫と,ときどき魚

最近の話。
布団に入って寝ようとしているときに,ふと昔飼っていた犬のことを思い出した。
犬のことは詳しくないのだが,ポインターとか何とかいう猟犬。
父が知り合いにもらったとかで,結婚前から飼っていたらしい。
オスなのに「サキ」というメスのような名前。
父は否定するが,母が言うには恋人のいない寂しさを紛らわせるために父が
名づけたのだとか。真相は知らない。
サキは立ち上がると,小学生の頃の僕よりは遥かに大きかった。
そのくせ,何とも臆病で,知らない人が来ると大人しくしていて,帰った後に
吠え始める。だから番犬としては全く使えない。

両親は共に働いていて,僕はいわゆる「鍵っ子」だった。
落とすと危ないので玄関ではなく裏口の鍵を持たされていた。
小学校に入って間もない頃。
学校から帰ってくると,もちろん家に入らねばならない。
しかし北向きの薄暗い勝手口から家に入るのがたまらなく怖かった。
お化けが出るんじゃないか,と。
サキに負けず劣らず臆病な性格だったのである。
その裏口の前に犬小屋があった。
だから,そこでしばらくサキと戯れて,気を紛らわせる。
そしてなんとか恐怖心を忘れかけたら,すかさず家に入り,陽の当たる
明るいリビングに駆け込む。
当時の僕はサキがいなければ家にも入れなかったのである。

そんなサキの死は突然訪れた。
小学校三年生の冬。
あろうことか,そんな日に限って友達の家に泊まりに行っていて,家に
いなかった。朝,電話でサキの死を告げられ,家に飛んで帰った。
次に見たのは変わり果てたサキの姿。
胸部が異常にへこんでいるのが印象的だった。
そして,触るとひどく冷たかった。
はっきりした死因は分からないが,おそらく老衰。
サキをよく放して遊ばせていた山に埋めた。
その夜,父は今まで見たことのない,悲しそうな顔をしていた。
翌朝,「おまえはサキの夢を見たか?」と聞かれた。
「見てない」と答えた。
可愛がっていれば,最後に夢の中でお別れを言いに来るのだとか。
迷信なんて絶対に信じない父がこんなことを言うのに驚いた。

家族のように慣れ親しんだペットとの別れはつらい。
例えば長年生活を共にしていた猫。
もはや目と目で通じ合う間柄で,鬼ごっこをしたりして遊んでいた猫。
そんな猫の話を,ある猫好きの先輩からちらっと聞いた。
そういえば我が家でも迷い込んできた瀕死の猫を世話したことがある。
いわゆる猫エイズだか何だかで,初めは声も出なかった。
一時期は持ち直してかなり元気になっていた。
当時はまっていたスケボーをこの猫にも教えようとしたが,失敗。
結局,数年後に死んだ。
猫というのは死に場所を選ぶ,なんていう話をよく聞く。
家族に看取られるのではなく,どこかでひっそりと死ぬのだとか。
実際は交通事故にでもあっているだけなのかも。
でも,きっと自分なりの方法で家族と別れ,死を迎えたのだろう,と
信じたい。猫にも猫なりの尊厳があるのだ,と。

一般に人間の犬猫偏愛は深い。
研究室の一角を不法占拠して飼っている熱帯魚のつがいが最近相次いで
お亡くなりになった。
掃除要員のエビと貝だけが残された水槽は寂しい。
でも,さすがに犬や猫ほどのショックは受けない。
先日,歌津で腹いっぱい魚を食ってきた刺身大好きな僕が泣いていたと
したらそれは「ワニの空涙」というものである。
一般的に人の考える命の重さは「人>犬猫>>魚」なのかしら?
犬猫はちゃんと供養するのに,熱帯魚は可燃ごみとして捨てている自分に
ちょっと戸惑ってみたり。
複雑だ。
ただ一つ言えること。
アリゲーター・ガーを琵琶湖に放しちゃいかんよ。
生態系云々というより,あんなのが普通に泳いでたら心臓に悪いだろ。

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2006/05/09

逃避行,北へ!

明日から現実世界を暫し離れる。
宮城県は歌津まで研究用ウニ取りのために一泊の小旅行。
人々の記憶からすっかり忘れ去られているに違いないが,かつて
多摩川に「タマちゃん」なるアザラシが現れた直後,同じくアザラシが
現れて地元の人々がブームに乗っかるために「ウタちゃん」と名づけた
あの,歌津である。

一昨年,初めて歌津に行った。
たまに遊びに行くにはいいところだ。住みたくはないが。
去年も行きたかったのだが,くだらない事務的な雑用に追われ断念。
そして2年越しの思いが通じ(と言うほどのことでもないが)今年は参加。
地元の漁労長さんの経営する旅館。
この漁労長さんがまたいい人なのである。
なまってて言葉が聞き取りづらいのだけど。
そして奥さんが女将を務める宿もまた格別。
ちょうどオフシーズンらしくて客は他に全くいない。完全貸切。
何といっても料理が驚き。
女将さんが平然とこんな大量の料理を運んでくる。これで一人分。
Dscf2907_1
名物どんこ汁(左上),どんこの頭がはみ出てますけど。。。
とにかく多い!そしてうまい!
朝食だって負けてない。
Dscf2955_1
さらに女将さん特製のケーキまで出てきた。
これでいてお値段なんと1泊7000円!信じられん。
そんな歌津に,今年も行ってきます。

その前に一つ,告白しておこう。
以前にも一度書いたが,それから新たな読者も増えたようなので,この
あたりで今一度確認しておきたい。
そう,,,

ウニなんて大嫌いだ~!!

いや,もちろんウニの標本を集めるのは好きですよ。
研究にも使わせてもらってるし,謝辞に「ムラサキウニ」って書いてもいい。
でも,でも,,,食べるとなると話は別。
だって「私,猫好き」って言ってる人がおいしそうに猫を食べたりしないでしょ?
ウニだって同じ。
何であんなもの食べたがるのか理解できん。口に入れると吐きそうになる。
しかし,,,
旅館の漁労長さんというのが本当にいい人で,ウニ取りのときにこっそり
取れたてのウニを食べさせてくれるのである。
本当に嬉しい。嬉しいんですよ,その優しさは。
でもねえ,,,その優しさが時として人を傷つけるのです。
だって,断れないでしょ?
言えるはずがない,「いや,ウニは嫌いですから」だなんて。
なりたい,「NOと言える日本人」に。
吐きそうになるのをこらえながら,死ぬ気で飲み込む。
そして今回もきっと。。。
唯一,気がかりな点である。

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2006/05/08

憧れの職人

トム・ダウド,と聞いて分かる人はあまりいないかもしれない。
でも知らないうちに彼の手がけた音楽をあちこちで聞いているのである。
さっき見てきた映画。

「トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男」
(原題:TOM DOWD & THE LANGUAGE OF MUSIC,2003年・米)

タイトルに惹かれて衝動的に見たのだが,よかった。
ただいま余韻にひたっているところ。
映画館,,,と呼んでいいのかわからない怪しげな映画館で見た。
国内では多分ここでしかやってない。
外観はカフェ。いや,カフェや映画の融合を目指しているのだとか何だとか
いうコンセプトらしくて,そのカフェの横から2階に上ると劇場がある。
これまた怪しげ。インテリア雑貨の店のような装い。
通常の劇場のシートじゃなくて洒落た椅子が並んでいるのである。
頭を乗せられないので首が疲れる。。。
せいぜい30人くらいしか入りそうにないほど狭い。
しかも映写機じゃなくて液晶プロジェクター!
何か損した気分だが,実は普通の映画館よりちょっと安い。
で,開始5分前まで客は一人もいない。
福岡のミニシアターでも実現できなかった偉業をついに達成?!
と期待に胸を躍らせるも,結局のところ客は4人ほど来た。
「一人で貸切」の夢は実現ならず。

しかし何といってもやっぱり,,,

いとしのレイラ!

邦題のセンスはともかくとして大好きな曲である。
最近は新たな思い出も加わり,なんとも思い入れが深い。
イントロのギター・リフに痺れる。
苦悩に満ちた歌。
そして印象的なピアノ・ソロで始まる後半のインストルメンタル部分。
エリック・クラプトンと故デュアン・オールマンの競演が美しい!
感慨深くて涙が出そうになる。
劇中,トム・ダウドが遊び半分にこの後半部分を30年ぶりにリミックスする
シーンがあるが,そのシーンが最も印象的だった。
子供のように,楽しそうにミキサーをいじるのである。
きっとこの名曲はこんな雰囲気でミックスされたんだろうな。
彼こそ職人の鑑。
研究者を目指す身として,彼のような「職人」でありたい!と決意を抱く。
でも,まあ息抜きも必要,,,ですよね?
とりあえず「Layla」でも聞くか。

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2006/05/07

ついてない日に飲むビール

GWが終わった。関係ないけど。
2006年の3分の1が終わった。どうでもいいけど。
3分の1って中途半端な。
じゃあ今月末は言うのだろうか?「2006年の12分の5が終わった」と。
くだらん。
それはさておき,2006年の出だしはまずまず。
3月頃から運気が上昇。4月まではいい感じ。
で,5月になった途端に運気暴落。
いや,別に何があったわけではないけど(むしろ何もないから?)。
で,なぜかビールがうまいのです。

このところ調子の良かった星占いも今日は「トラブル発生」を告げていた。
まあ結局たいしたトラブルはなかったのだけど。
あまりに平穏で実に張り合いのない一日だった。
何かおもしろいことないかしら。腹のよじれるような。
もしくは何か癒し。癒されたい。
たった今,日付が変わって占いが「ツキあり」に!
明日はきっと何かいいことあるはず。
なんて思っているとたいてい何もない。
でもやっぱり何かあってほしい。
で,なぜかビールがうまいのです。

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2006/05/05

Entrapment

パワハラ女王の日記を覗き見ていたらトラップにひっかかってしまった。
かなり前に流行った(?)チェーン・メールのようなものかしら。
つまりあなたもすでに引っかかってるわけです。
ルールは簡単。
自分の日記にコピーして素直に答えるだけ。
で,気が向いたらトラックバックください。

●今、どこに居る?→研究室 。

●今、一番近くに誰が居る?→ボス。

●今 どんな服装?→辛うじて全裸ではない。

●今、何食べたい?→研究室の近くのガンダム・ラーメン。半年くらい食ってない。 

●今、何飲みたい?
→キンキンに冷えたビール!研究室の冷蔵庫を開ければすぐそこに。。。

●今、真後ろには何がある?→見たくない現実。

●今、まわりを見渡して、いちばん目についたものは?
→隣の研究室の皆さんの写真。現実逃避の象徴。

●今、誰に会いたい?
→そんなの言わずもがな,ですよね?

●その人に今伝えたいことは?→添い寝,いや,膝枕,,, 私,病んでます。

●今一番歌いたい曲は?
→曲名が分からん。「愛を取り戻せ」だっけ?YouはShock~♪

●今頭の中でパッと思い浮かんだ言葉もしくは台詞は?
→お前のものは俺のもの。

●今の体調は?→風邪気味のボスにうつされないか不安。

●今どんな気持ち?→三号館(※)の中心で愛を叫びたい。
  (※)研究室のある建物。現在地。

□■ルール■□ 見た人は全員やること! 絶対だから!嘘つきはだめ!

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2006/05/04

春の田園

実家の庭には,いろいろな植物が自生している。
雑草が繁茂している,とも言う。
ある朝,天気がいいので寝起きに庭に出てみた。
芝桜が咲いていた。
さっそく撮ってみる。
起きた直後に変な体勢で撮ること30分。
腰に違和感を覚え,,,というか激痛が走り暫し動けなくなる。
身を犠牲にして撮った一枚。その割にはピントが甘い。
Crw_7634
夕方,借りていたDVDを返すためにツタヤへ。
車を飛ばすこと30分,お隣の総社市。
なんでこんなところで借りたのか説明すると面倒なので割愛。
このツタヤのすぐ近くに備中国分寺がある。
ついでだから立ち寄った。
かなり頻繁に来るので慣れたもの。
ちょうど「レンゲ祭り」なるイベントが終わった翌日なのだが,レンゲの咲きは
いまひとつ。実家の周りは満開だったのに。と言うかもう刈り取られていた。
なんとかたくさん咲いている場所を見つけ,いかにも咲き乱れているような
構図で撮る。本当は疎らなんだけど。写真なんてそんなもの。
Crw_7653
中途半端な咲き具合なのでマクロ撮影を中心に。
微風が邪魔してなんとも難しい。
そもそもレンゲの花ってどこにピントを合わせていいのかわからない。
Crw_7670
ちなみに備中国分寺のシンボルである五重塔の夕景はこんな感じ。
周りに何もないのでなんとものどかである。
Crw_7679
吉備路と呼ばれるこのあたりは古墳や城跡などの史跡が多く残されており,
古代史を研究する父親に語らせると収拾がつかなくなる。
一人で来たのは正解だった。
旅好きな父親なのだが,目的はもっぱら山登りか遺跡巡り。
まあ写真を撮ることしか考えていない自分もあまり人のことは言えないが。
これも血筋か。

五重塔のすぐ隣にチューリップが咲いていて見ごろだったが,数が少ない。
なんとも中途半端。がんばって数が少ないのが分かりづらい構図を探す。
Crw_7687
早くも実家から東京に戻り,現実世界での生活が始まった。
短かったMyGWは終わりを告げる。
実家の周りのレンゲは刈り取られ始めていたし,そろそろ田植えの季節か。
春の訪れというより,もう初夏の装い。
ふと思う。何年も田植えの風景なんて見てないな,,,と。

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2006/05/01

鬼が来た

小学校三年生の始業式。十五年ほど前。
担任の先生が告げられる。三年二組。
それは死刑の宣告であった。
最も恐れていた事態。
担任に決まったのは,やや年配の女性の先生。
その恐ろしさについて校内で知らない者はいなかった。
登校拒否を決意した瞬間だった。

まあ実際には学校に行かざるを得なくて,恐る恐る三年生の新生活がスタート。
怒るととにかく怖い。
最も有名な罰は「漢字千字」である。
主に宿題をちゃんとやらなかった場合に科せられる。
放課後残されて漢字を千字書かされるというもの。
小学生にはかなりキツイ。いや,今でもかなりキツイ。
この罰を恐れて皆それなりにがんばるのである。
しかしそれにも関わらず宿題をやってこない輩というのはいるもの。
ちなみに私,一年間に二回もこの罰を受けたという武勇伝があります。
他にもしょっちゅう怒られていた。

歯をくいしばれ!

と言われて殴られる。
衝撃で吹っ飛ぶ。
何度殴られたことか。
教室から放り出され,閉め出されることもしばしば。
これだけ怖いのに,馬鹿なことに悪さを繰り返し,また怒られるのである。
懲りない性格。世話の焼ける子だ。基本的に今も変わっていないけど。

怒るととにかく怖い。
じゃあ小学校三年生の一年間は地獄だったか?
そんなことはない。むしろ逆。
最も楽しく思い出深い年だった。
怖いのは怒ったときだけ。
普段はとても明るくておもしろい先生なのである。
かなり可愛がってもらった。
「尻たたきの刑」(これはもちろんふざけて怒っている時)を受けるために
わざと先生にちょっかいを出したりしていた。
最初の「漢字千字」の執行中,七百字くらい書いた時点で「もう今日は
帰ってええよ」と言われ,しかもドーナッツをくれた。
なぜか知らないが鮮明に覚えている。
ちなみに二回目はきっちり千字書かされた。恩赦は一切なし。当然か?!

容赦なく殴るので,今時だとすぐに「体罰云々」と騒がれるに違いない。
先にも書いたように,とても怖い先生ではあったが,それでも大好きだった。
今となってははっきり分かるのである。
あの拳には熱意と愛がこもっていた。まさに愛の鞭。
殴るのは教育熱心だからこそ,なのである。
最近のようにすぐに馬鹿なことを言う保護者と彼らに怯える先生たちの間で
子供がまともに育つはずがない。
「体罰」だから何だというんだ。くだらない。
悪意のある体罰は問題だが,愛のある体罰は虐待ではない。
甘やかすから腑抜けたガキどもが量産されるのである。

まあ教育問題なんてこの際,どうでもいい。
実は今日,この先生に会ったのである。
巡り会わせとは不思議なもの。
教師をしている母親の転勤先の校長に赴任したのが,なんとこの先生。
昼間,用があって母の車を借りていたので,夕方母を車で迎えに行った。
そしておもしろがった母がこの先生と僕を引き合わせたのである。
恐怖で足がすくむ。
現れた先生は相変わらず明るい。
大声で名前を呼びながらハイテンションで歩み寄ってくる。
近況はだいたい母に聞いている様子だった。
顔を見て第一声。

「全然変わっとらんな~」

大学時代の友人にはよく言われるが,小学校のときの担任に言われると
さすがにショックだ。小学生のときから成長してないってこと??
まあ自分でも薄々感づいてはいたが。私,中身は未だに小学生。
びくびくしていたが,さすがに殴られなかった。別に悪いことはしてないし。
殴られるもの嫌だが,この歳になって「漢字千字」も嫌だ。
先生の前ではよい子にしておかねば。。。って,そんな馬鹿な。
束の間の再会だけど懐かしかった。
この先生が研究室で見張っていてくれたらきっとサボリ癖もなくなって
研究もはかどるだろうに。
いや,でも毎日殴られて漢字千字書かされたんじゃあ身が持たんよ。

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