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2010年1月

2010/01/29

空中ディスカッション

年末ぐらいから内職をしています。
博士論文の研究内容は出版予定のものも含めてすでに3本の
論文として世に送り出され,それは自分で実現可能な目標として
掲げていたことなので,我ながら満足しています。
もっとも,博士論文予備審査の段階ではあまりにもひどい状態で,
大学院人生の中で最も低迷していた時期でした。
そんな状態を見た人の中には非常に強く批判する人もいましたが,
私としてはすでに今にいたるヴィジョンを描けていたのです。
まあ理想と現実のギャップから生じる苦しみというのは想像を
絶するものでしたが。
とにかく予備審査での失態から挽回するのに十分な結果を出せた
のではないかと思っています。
(自分で言うのも何ですが)そういう潜在能力を見抜いていてくれた
数少ない一人が,大学院時代のボスなのであります。
研究がどんなにひどい状態に陥っていてもちゃんと自分の考えと
責任で最後までやらせてくれました。

さて,内職の話に戻ります。
実はそんな博士論文の内容が飛躍して,第4の論文を書こうという
話に発展しているのです。
この研究に関してはボスの発想であるというのが少々悔しい
ところではありますが,実に興味深い内容で(だから余計に悔しい),
年末ぐらいから作業を進めているのです。
今は新しいボスに雇われている身なので,本来業務に支障が出ない
ようにということで,もっぱら休日に作業しています。
卒業直後に思いがけず発足した師弟での共同研究は大詰めを
迎えているところです。

年明けすぐに東京で小さな学会があり,参加してきました。
そこで元ボスと再会し,この研究について詰めの打ち合わせをする
ことになっていました。
ということで昼時に2人で会場を抜け出し,昼だしとりあえず食事に
でも行こうということになり,久々に文京シビックセンター(区役所)の
展望レストランに行きました。
が,到着が早すぎて開店まで30分待ち。
ということでシビックセンターの展望台でディスカッションが始まって
しまいました。
親子連れが都心の展望を楽しむ中,パソコンを広げて研究の展望を
議論する怪しい2人。
「場違い」とはこのことです。

しかしシビックセンターの展望台!
都内で最も好きな場所の一つです。
ここからは新宿のビル群が見渡せ,さらにそのど真ん中に富士山が
見えるという,都内屈指の絶景ポイントなんです。
しかも無料。
天気のいい日にはカメラ小僧(と,よく呼ぶがたいてはオヤジである)が
殺到し,一般客には悪名高い場所かもしれない。
しかし久々に訪れたシビックセンターからの眺めに大きな変化が!
なんと新宿ビル群の手前に高層ビルが建っている!
展望を遮る形で。
シビックセンターが死んだ。
ひどい落胆と怒りと悲しみに襲われます。
追悼の意を込め,もう二度と見ることのできない眺めをここに記載して
おきます。
数年前に撮ったダイヤモンド富士(ちょっとずれているが)。
カメラ小僧(と書いてオヤジと読もう)たちとの争いに敗れて,条件の
悪い位置からの撮影なので少し画質が悪いのですが。
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2010/01/25

散髪の哲学

髪を切りました。ばっさり。
実に4カ月も放置された髪は伸び放題でした。
面倒だったのですが,「鬱陶しいから早く切れ」という奥様の
圧力に耐え切れず,切りました。
かなりばっさり,です。
どのくらいかと言うと,完全に隠れていた耳が全部見える
ようになるくらいなので,ちょうど耳の長さと同じくらい切った
ことになります。
私の耳は他人とくらべてずば抜けて長いというわけではないと
思うので,だいたいどのくらいの長さなのかはお分かりいただける
かと思います。
実際に自分と他人の耳の長さを測って比べたわけではないので
断言はできませんが,統計学的に言って日本の成人男性の耳の
長さの平均値から標準誤差以内には十分入っている長さの耳では
ないかとの印象を受けています。

耳の長さ分くらいなら大して「ばっさり」ではない。
特に髪の長い方はそう思うかもしれません。
でも,全部隠れていた耳が,全部露出するというのは,劇的な
変化です。
頭だけ妙に寒いです。
自転車に乗ろうものなら,冷たい風を切って,耳がもげそうなぐらい
痛くなります。耳だけ。
家を出て研究室に着くころには耳の感覚がなくなって,まるで
自分の体の一部ではなくなってしまったかのようです。

それでも髪をばっさり切るのは気持ちのいいものです。
シャンプーするときや,髪を乾かすときの爽快感といったら!
美容室に行くまでは面倒で億劫でたまらないのですが,切り終わって
床にもっさりと積み重なった自分の髪を見つけると,何とも言えない
「すっきり」感に包まれるのです。身も心も軽くなるとはこのこと。
そういえば以前,とある美容師に「髪は生きているのか」と聞かれた
ことがあります。
つまり,切り落とされた髪は死んでしまうのか,という質問。
「タンパク質の研究をしています(※)」と言ったので,タンパク質である
髪のことを研究者の私に聞いてみたかったらしい。
実はこれは奥が深い質問である。
生物学的な模範解答としては,もちろん,髪は生き物ではない。
髪の主成分はタンパク質で,一部の上皮細胞から分泌される物質です。
少々極端な例え方をすると,汗や皮脂,唾液なんかと似たようなもの
です(細胞から分泌される物質という意味で)。
そう考えると髪が生き物ではないことはお分かりいただけるのでは
ないかと思います。

ただ,本質的な議論として「生き物とは何か」ということを考え出すと
とても奥が深い。
私は高校では生物を履修しておらず,そのくせ大学は生物学科に
入り,そこでDNAからタンパク質が合成されるという生物学の基礎を
知りました。
その時に思ったのが,遺伝子情報というのはまるでコンピュータと
同じじゃないかということ。
つまり,無機生命体というものがいてもおかしくないのではないか,
と思ったのです。
ターミネーターみたいなロボットが自然発生してもおかしくはない,と。
さらに拡張して,そもそもそういったものはすでに存在していて,
ただ人類の感覚ではそれに気付かないだけでは,とも。
「生命体」を一連の物理化学的反応系だと考えれば,例えば惑星系や
銀河系,さらに高次の系だって一種の生命体だと言えるかもしれない。
例えば顕微鏡下の大腸菌が,自分が研究者にじろじろ見られて
いることには気づかないでしょうし,何やら薬品ぶちまけられたり,
オートクレーブ(殺菌装置)にかけられたりしても,それは彼らに
とっては自然災害だと思えるかもしれない。

後に手塚治虫の漫画「火の鳥・未来編」を読んで驚愕しました。
そこには「コスモ・ゾーン(宇宙生命体)」という概念が描かれていて,
それこそまさに私の考えていた「生物」像でした。
最も尊敬する人物の一人である手塚治虫と全く同じことを考えていた
ことに感動しました。

ただ髪を切ったという話からずいぶんと話が膨らんでしまいましたね。
結局のところ一番大事なのは,髪に保護されていた耳を,真冬の風に
突然さらすとものすごく寒いということです。本当に。

※「タンパク質の研究をしている」というのは以前の研究テーマを
一般の人に聞かれたときによく使っていたフレーズです。
正確ではないのですが,ひどく間違ってもいないので多用して
いました。
「鞭毛の運動調節機構を研究しています」というとさっぱり伝わらない
ので。

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2010/01/22

UFOとUMAの奇跡のコラボ

UFOやUMA(未確認生物;ネッシーとか雪男とか)というと,何だか
胡散臭い,とても科学とはかけ離れたもののような気がしますね。
でも私の印象ですが,意外と科学者はこの手の話題が大好きな
ようです。
日ごろ科学にどっぷり浸かっている人たちからすると,やつらの
脱力感が,ある種の癒しにつながるのではないでしょうか。
最近の地球の空にはいろんなものが飛んでいます。
かつては飛行機とUFOぐらいしか飛んでいなかった空は今や
フライングヒューマノイドを始めとする新興勢力で覆い尽くされて
いるようです。

最近最もアツいUMAといえば,やっぱりチュパカブラ。
そう,メキシコ原産の,吸血鬼です。
いろんなものが空を飛ぶこんな時代ですから,チュパカブラも近々
空を飛ぶようになるんじゃないかと何となく思っていました。
しかし,事態は意外な展開を見せているようです。
年末恒例のテレビの超常現象番組を見ていると近頃は新しい説が
提唱されているようです。
すわなわち,チュパカブラは宇宙人のペットである,と。
ああ,そういう形で飛びましたか。
だとするとそのうち日本にも飛来するかもしれませんね。
というかペットを連れて地球まで来るとは,もはや宇宙人は地球に
定住しているようです。
その場合ちゃんと税金は払っているのでしょうか?
あるいは宇宙人用の免税店みたいなのがもうあるのかしら?
今後も地球の空から目が離せません。
あくまで私的見解ですが,日本の空にはホワイトベースが飛んで
いそうです。というか飛んでいてほしい。

※「宇宙人」という言葉は正確ではないのですが便宜上使用して
おります。
正確には「異星人」と言うか,あるいは出身が分かっている場合
には「エウロパ星人」といった固有の呼称を使うべきです。
「地球人」だって正確には宇宙人の一部ですから。

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2010/01/19

ハイチに日本ができること

ハイチの地震の報道を見て疑問に思った方は多いのでは
ないでしょうか。
なんで日本は救援隊を派遣しないのか。
ようやく医療チームが派遣されましたが,あまりに遅い
対応だと思えて仕方がない。
多くのノウハウを蓄積している地震大国の日本だからこそ
率先して救援活動を進めるべきではないのか。
例えば自衛隊の派遣。
憲法論議が不可避なインド洋の給油活動に比べれば内容が
ずっとクリアで,大半の国民も納得するでしょう。
現実には国連での協議などの問題もあるのかもしれませんが。

自衛隊の兄を持つ知り合いから聞いた阪神大震災の話。
震災直後,自衛隊は出動準備ができているにも関わらず,
政府からの指令が遅れたために待機せざるを得なかった
そうです。
これが事実なら無能な首脳への憤りが募ります。
そして,政権政党が違うとはいえ,政府はまた同じ失敗を
繰り返したことになります。
自衛隊ではなくとも,とにかく救援隊の派遣という決断になぜ
こんなに時間がかかるのか。
こういう問題を政争の種にしてほしくはありませんが,政府の
イメージアップという点でも効果的であったはずです。
まさに首相がリーダーシップを発揮する「見せ場」だったはず。
弱いリーダーは悪であり,今回のケースは犯罪ともいえる。
某幹事長の金問題の火消しに躍起になっているひまがあるの
なら,せめて若手を含む他の議員からでももっと積極的に
救援隊を派遣するべきとの声が上がっていいはず。
声を上げるのは野党であってもいいはず。

報道で知る限り,事実上の無政府状態と化している現地の
様子は,まさに絶望的であるかもしれません。
今さらできることと言えば,放っておけば死んでしまう100人の
うち,せいぜい2~3人を救うだけのことかもしれません。
でも,やるべきです。
現実的に自分ができることはほとんどありませんが,せめて
政府の今後の迅速な対応を望むばかりです。

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2010/01/18

青空侍

※最後まで読んでもネタバレはほとんどありません。

見たいと思いながらなかなか見れなかった映画のDVDをついに
借りて見ました。

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」
(リンク先はWikipediaです)

この映画をたまたまテレビで見たのはもう随分と前のこと。
いい歳してクレヨンしんちゃんなんて,と思うでしょ?
そうではないんです。見れば分かります。
詳細はWikipediaに委ねるとして,とにかくシリアスな描写や
時代考証が,おおよそ子供向けアニメとは思えないほどの
高いクオリティなんです。
逆に子供には不評かもしれません。
又兵衛や廉姫といった映画オリジナルのキャラは絵のタッチが
クレヨンしんちゃんとは全然違っていて,まるで二つの世界が
融合したような独特な世界観が好きです。

前見たときにとにかく印象に残ったのは合戦前夜から当日へと
移り変わるシーン。
月明かりの下,花びらが散るシーン(記憶では桜だと思っていた
けど見直してみたらどうやら違った)から,昼間の早馬の駆ける
シーンへと一瞬で切り替わるトランジションです。
「平穏」から「動乱」,「静」から「動」への明確な展開。
私が映画に必要不可欠と考える時間的あるいは空間的な
コントラストを巧みに表現しているシーンだと思うのです。

前回見たときには全く気にならなかったシーンですが,序盤で
過去に一人タイムスリップしてしまったしんのすけを助けるため
危険を顧みず自分も過去へ行こうとする父・ひろしの言葉。
「しんのすけのいない世界に未練なんてあるか!」
この言葉に熱く胸打たれてしまうのは歳をとったせいでしょうか。
他にも要所要所で目頭が熱くなるのを抑えきれませんでした。
前はそこまでではなかったのに。
ぜひ大人にこそ見てほしい映画だと言えます。
笑いと涙が非常にテンポよく交錯する素晴らしい映画です。

蛇足ですが,最近またこの映画を見たいと思うようになったのは
この映画が実写化されたときに思い出したからです。
実写版は見たいと思いませんが。
この映画の世界観を実写で表現するのは不可能だというのが
理由の一つですが,もっと大きな理由,それはタイトルです。
なんでこの映画に英語のタイトルをつけるかなあ。
どういう発想でこんなタイトルになるのか。
どうしようもない低俗な人間が主要な部分に絡んでいるのが
明白なので,それだけで見る気が失せます。
実写版の内容がどうなのかは知りませんが,とにかくオリジナルの
アニメの方は一見の価値ありですよ。
アニメ嫌いな方(私もそうですが)もぜひ!

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2010/01/08

サル!布団を用意せい!

藤吉郎。
最近奥様にそう呼ばれることがあります。
いつどこに引っ越すかわからない職業柄,ベッドは邪魔になるので
置いていません。
夜はシングルサイズの布団を二つ並べて寝ています。
奥様が寝る準備をしている間,私のすることといえば,まず奥様の
布団に入ることです。
そして奥様が寝るときには自分の布団に移動します。
はい,奥様の布団を温める役割に御座います。
せっかく温めた布団から冷え切った布団に移動するときの寒いこと!
献身的な夫の涙ぐましい努力です。自分で言ってしまいました。
関連して,,,いるのかどうかは別として,暇にまかせて勝手にリンク!
おもしろい漫画があります。
http://blogravity.blog.shinobi.jp/Entry/107/#ps_text

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2010/01/01

2010年の抱負

正月というのはひまですね。
新年早々の愚痴です。
出かければ人が多いし家にいてもすることがない。
何といってもテレビがつまらない。
きっと多くの人が辟易しているだろうに,毎年つまらない。
バラエティよりも映画の一本でも流した方がよっぽど暇つぶしに
なるだろうと思うのだけど,芸人さん達には稼ぎ時でしょうから
いろいろとしがらみがあるのでしょうね。

2009年という年はいろいろありました。
嫌なこともたくさんありましたが,総じて言うと,いい年であったと
思います。
飛躍!って感じではなかったけど着実に飛躍につながる年では
あったと。
うまく上昇気流に乗れた感じでしょうか。公私ともに。

暇なのでDVDを借りに行ったのですが(貧乏なので旧作限定で),
これといって目ぼしいのがない。
旧作でおもしろそうなのは博士論文執筆の時期(=忙しくて
しょうがないとき)に手当たりしだい見てしまったせいかしら。
そういえば2009年というのはあまり映画を見なかった年でも
あります。
劇場には一回も行ってない。ここ10年ぐらいで初かも。
かつては週一で通ってた時期もありますからね。
DVDも数本しか見てないです。
そんなわけで,年末恒例になりつつあった映画ランキングも
2009年はお休みです。
代わりに友達のランキングを勝手に紹介します(こちら)。
参考までに,博士論文の集大成とも言うべき2008年の映画
ランキングはこちら(祭りの後片付け・2008)。

ともかく仕事もプライベートも緩やかに上昇を続けた2009年。
今年はこの流れにうまく乗って,飛躍の年にしたいと思います。
今年のさそり座は好調だそうなので。
と,占いに頼っているあたり,成長が見られない。
まあ細かいことは気にせず,ポリシーでもある「ひょうひょうとした
生き方」を貫いてゆるりと飛躍を目指します。

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